不動産の査定方法(取引事例比較法、収益還元法、原価法)
ここでは、不動産の主な査定方法について説明します。
不動産の主な査定方法は取引事例比較法、収益還元法、原価法の3つです。
査定金額に不満がある場合もあると思いますが、不動産会社の担当の方に査定金額の根拠を聞くと説明してくれるので、確認しましょう。
査定金額が売却価格になるわけではありません。
あなたが家を売りに出す際、売り出し価格の参考にする金額と把握しましょう。
以下、主な査定方法について説明します。
取引事例比較法
取引事例比較法とは、簡単にいうと、周辺物件の相場から割り出す方法です。
居住用の物件に多く適用され、多数の過去の取引事例と比較し、価格を決めます。
取引事例比較法では
- 評価する物件と類似した取引をどれだけ多く集められるか
- 比較をどれだけ適切におこなえるか
がポイントとなります。
事情補正、時点修正、地域要因の比較、個別的要因の比較などから、査定価格を出します。
これらについて、例を挙げて説明します。
事情補正
取引のときの特別な事情の補正です。
例:売急ぎ
売り急ぐ場合は、早く売ることを優先するため、適正価格より安くなるケースが多いです。
これをきちんと考慮に入れる、ということです。
時点修正
新築時からの経過年数や、過去の取引事例から2年経過しているので、2年分の価値を割り引いたりすることをいいます。周辺環境や、地価の変動にも影響されます。
地域要因の比較
例:地域的にみて取引事例地の方が20%価値が高い
個別的要因の比較
例:対象地は不整形で5%価値が低い、角地なので5%価値が高い
過去の取引事例にこれらを考慮し、査定額が決まる、ということになります。
収益還元法
収益還元法とは、対象の不動産が将来生み出すだろうと予測する純利益と現在価値を総合し
査定価格を算出する方法です。
アパートや賃貸マンション等の収益物件を売買する際に多く利用されている評価方法です。
今回のテーマである、家の売却には当てはまらないので、例は省略します。
原価法
原価法とは、主に建物や一戸建てに使われる方法です。
同じ物件を仮にもう一度建築した場合の原価を割り出したあと、建築年数による低下した価値を原価修正し、現時点の価値を推定する方法です。
中古住宅、特に戸建住宅の評価額を求める場合、原価法を適用するのが一般的です。
- 土地価格の査定
- 建物価格の査定
- 土地建物一体
としての市場性を検討し、積算価格を求めます。
特に中古住宅の評価では、
- 建物価格の査定における減価額(残存価値率)の査定
- 市場性増減価の判定
がポイントです。
外壁の劣化、壁紙の汚損、瓦の破損、旧式の給湯器、鉄管の上水道、地盤沈下、近隣地域の衰退などで、評価はマイナスされます。
家を売る時の注意点、不動産査定については、こちらを参考にして下さい。