境界線上の塀やフェンスの設置費用、修繕費用の負担は?
境界線上に塀、フェンス、目隠しを設置されていることは少なくなりません。
隣人との間で境界線上に塀やフェンスを設置する、という取り決めをする場合もあります。
境界線上に塀やフェンスを設置する場合の費用負担は?
民法では、囲障の設置費用は隣人と平等に負担するとあります。
(囲障の設置及び保存の費用)
民法第二百二十六条
前条の囲障の設置及び保存の費用は、
相隣者が等しい割合で負担する。
これは、隣家との間で塀の設置費用についての合意がない場合を前提としているものです。
ですので、隣家との間に塀の設置費用について別の合意があれば、等しい割合での負担である必要はなく、両家の合意の内容に従う費用負担で問題はありません。
境界線上にフェンス、塀などを設置する場合は隣家の土地にまたがることになりますので、当然、相手の同意なく、勝手に設置することはできません。
境界線ギリギリに自分の所有地内に塀、フェンス、目隠しなどを設置する場合は、隣家との協議は必要ありません。
この場合は、自分だけで費用を負担し、竹の塀、ウッドラティス、メッシュフェンス、ブロック塀など、自分の好きな塀を設置することができます。
ただし、隣家の日照、風通しを侵害してしまうような塀の設置は控えるべきです。
隣家から損害賠償を請求される可能性もありますので、気をつけて下さい。
場合によっては、塀を設置した後で、日照、、風通し、眺望などを理由に、塀の高さを低くするよう要求されることもあります。
境界線上の塀、フェンスなどの修繕費用は誰が負担する?
塀の修繕が必要な場合の費用負担についても、塀の設置費用と同様の考え方ができます。
設置時に折半で設置した場合は修繕費用についても、隣家と折半すればよい、といえます。
境界線上にどちらか一方の希望で高価な塀を設置している場合、修繕費用は通常よりも多くかかると考えられます。
設置時に高価な塀を希望した一方が余分に費用を負担している場合は、そちらの人が修繕費用も多く負担するべきだと考えられます。
しかし、これは双方の合意があれば、その限りではありません。
隣家が塀の修繕に応じない場合もあるでしょう。
その場合は、自己負担で修繕し、その後、隣家に折半として請求するしかありません。
境界線上に塀やフェンスなどがある場合は、家を売った後、買主さんが困らないよう、塀の維持費用負担なども明確にしておきましょう。
不動産売却を検討されている方は、こちらを参考にして下さい。